北九州市小倉南区の認可保育所で複数の保育士が昼寝している子どもを無理やり起こすため、簡易ベッドを斜めに傾けて滑り下ろす行為を繰り返していたことがわかった。市は児童福祉法に基づいて5日に立ち入り調査し、「危険性があり不適切だ」と口頭注意した。市は今後、同法に基づく改善指導をする方針。市関係者は「自分の子どもをこんな方法で起こす親はいないはずだ。子どもがけがをする可能性がある」と問題視している。
認可保育所は社会福祉法人正勇会(同市小倉北区)が運営する「曽根ソレイユ保育園」。市はこの行為が園児にけがをさせる危険性があるとみて、経緯や再発防止策を今週中に報告するよう求めている。
同保育所では3歳以上の約60人が2階ホールでプラスチック製の簡易ベッドを使って昼寝している。複数の関係者によると、市が立ち入り調査する前の 約1カ月間だけで、傾けて起こす事例が17件確認されている。ある保護者は西日本新聞の取材に「『下ろされて泣いた友達もいる』と子どもから聞いた」と話した。
市によると、同保育所は2017年3月に開所したばかりで人気が高く、定員70人を上回る約120人を受け入れている。定員に対する入所率は市内で最高レベルだという。市議会関係者は「違法状態ではないが、ほかの保育所と比べて、保育士の経験年数が不足しているのは否めないのではないか」と指摘する。
正勇会は取材に、事実関係を認めた上で「けがをした子はいなかったが、危険な行為だった。一部喜ぶ子どももいて日常的に1年ほど続いていた可能性がある。再発防止を徹底したい」と話している。同法人の聞き取りでは4人の保育士が同様の行為をしていたことを確認したという。(竹次稔、東祐一郎)
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